■5/21(4日目)
①レッジョ・エミリア市近郊のクジラ幼稚園を訪問しました。
レッジョ・チルドレンのアプローチを取り入れた現場です。
イタリアは、広場が文化的に大切。
それに配慮した空間にデザインされています。
この地域は、歴史的に親の参加とリクエストが強く、そこからいろいろな企画が生まれているそうです。
レッジョ・アプローチの特徴である小人数制を取り入れ、
レミダの素材、ライトテーブル、自然素材、記録と、さまざまなプロジェクトが展開されていました。
自分たちは、どんな生き物か?アイデンティティを探る、人体のプログラム。
英語を学ぶことから、背景にある国についてのパネル作成。
こどもの声から声へ。どんどんプログラムが展開されていくこともあるそうです。
好奇心、探求心を、満たす要素が、あちこちにちりばめられていました。
トイレがアトリエに!?
トイレ訓練だってアート(パフォーマンス)にしちゃえば、楽しいですね!
これはとても面白い!
光の体験プロジェクト、
ライトテーブル
レミダの素材を活用した作品。
家族の参画を促すため、展示は、日々こどもたちがどんなことをしているのかわかるようになっています。
ドキュメントは、日々のレポート、展示に年間の報告のための冊子。
記録は、学びの共同体をつくる大切な要素と言いますが、とても大変そうです。スタッフは時間がない。と言っておられました。
日本と同様。理想と現実。バランスが大事ですね!
型にはまったプログラムは面白くない。
少し作り込みすぎてはいないかな?手をかけすぎてはないかな?
そんなことも感じました。
自分たちはこんなに素晴らしいものを提供している、
こどものためにという、おとなの気持ちはよくわかりますが、
それが、個々のこどもたちにとって必ずよいとは限りません。
大人がもっと肩の力を抜いて、ゆったりと。
ここはイタリア、スローライフ、スローフード!
すべてを満たそうというのではなく、
多様な感性を持ち合わせた人々と助け合い支え合い、また刺激し合い。
いろんなこと、人に出会うチャンスを、どれだけこどもたちに提供できるのか。
いつでもどこでも、こどもたちの学びの機会は無数にあります。
なぜ田園風景にクジラ?
作り込まれた空間、教育環境の中で生活することはどうなのか?
実際、ここにいるこどもたちの声を聴いてみたかったです。
好みはいろいろありますが、
もっとシンプルにフレキシブルに、そこで生活するひと、
こどもたちが時と場合により、変化させやすい、創造しやすい、
何にでもなるような空間が、私は好きです。
様々な感性に溢れる機会を提供すること、
自分たちで何かをつくり出せる環境や機会があることが
大事なことだと思います。
②次の訪問先は、コリアンドリーネ
レッジョ・エミリア市から車で30分。コレッジョという街にあるコリアンドリーネ。
こどもたちのアイディアから、建築家とコラボレーション。
スタートから完成まで13年かけて実践された夢の町、プロジェクト。
それが現実になったものがここにあります。
建物の中は、いろんなデザインが施され、作られています。
しかし、何かが違うのです。上手く言葉にはなりませんが、
フンデルトヴァッサー、ニキ・ド・サンファル、ダリ等のアーティストの作品とは、違う。
風景の中に突如として現れるこの集合住宅。不自然で少し違和感があります。
こどもたちの夢は、自分でその世界を実現していく。それが生きる力。
こどもからおとなが一緒に力を合わせて作れるような、一部手作りの建物ならばよかったのでは?月日をかけて、実現された、大きな実験プロジェクト。
いろんな物語があったのではと想像します。
何事もチャレンジする大人の姿は、
こどもにとって、とても刺激的。
成功、失敗ではなく、それをどうみるか?どう感じるか?
そこから何を学びどうしていくか?
そういうプロセスが面白いことだと思います。
(byかとうゆみ)