Archive for 7月 2014

メディアリテラシーのお祭り

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NPO法人こどもアートの理事である
森田より、ご案内をさせて頂きます。

子どもたちにテレビ局の仕事をしってもらう年に1回のメディアリテラシーのお祭りを開催します。
記者やディレクターになりきれる楽しい授業や、リサイクルアートのワークショップなどワクワクする催しがいっぱいあります。
ぜひ、ご参加ください。

●オープンスクール@カンテレ
2014年8月10日(日)

詳細はこちらをご覧ください。
http://www.ktv.jp/ktv/literacy/school/index.html


by森田誠二
関西テレビ放送CSR推進局CSR推進部

レッジョ・チルドレン視察より

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レッジョ・チルドレン現地視察を経て、
さまざまな学び、気づきがありました。

レッジョ・チルドレンの事例を用いて会話をすることは、
多様な人々が「こども」=「未来」をコアに、語り合うことのできるツールになります。

それぞれの立場や興味のありどころによって、
焦点や話題が広がっていく。






こども~おとなまで、人種や宗教、国を越え、
誰もが持ち合わせている、人々の根源的な分野から、
その土地ならでは育まれる地域の資源と街の未来へ。
幅広いフィールドが包括されています。

幼児教育のアプローチとして、とらえられがちですが、
本質的に、幼児教育とは、何であるか?
我々、1人1人がどう生きるか?
そこは、レッジョ・チルドレンの特徴であり、問われているところだと感じます。





情報は、伝えられたその部分だけを理解するものではないと思います。
その背後にある世界、歴史や人間模様、感情をも、察知、想像のできる感性をも身に着けたいものです。

レッジョ・チルドレンは、とても上手くクオリティーがコントロールされています。
何より美しく。インスピレーションを放っている。
全てが作品のようです。






こどもをとらえる視点、感性。こどものどういう瞬間、姿が美しいか?どこが面白いか?
それらが上手くとらえている
まるで壮大なアートプロジェクト!

幼児教育、「こども」をキーワードとすることで
今まで、アートに触れなかったひとに、アートの可能性が広がっている。

みなさまは、レッジョ・チルドレンの何に惹きつけられますか?
一緒に語りましょう。







今回、研修ツアーは、多くの学びがありました。
しかし、その歴史、レッジョ・チルドレンが育まれたプロセス
住民の息吹き、こどもに対する汗匂いなど、生の部分を肌で感じることはできませんでした。
なぜか、街中を歩いていても、全く無。それがとても不思議でした。




プロセスが大事というレッジョ・アプローチ、
数日の滞在では難しいと思われますが
レッジョ・エミリアが育んだプロセス、今をもっと感じたかったです。

わからないものは、わからないまま。
そんなに簡単にわかるものではない、わからないことを楽しみ、次への探求の種とします。






レッジョ・エミリアの街は、観光として訪れるには、魅力的なところが少ないかもしれません。
しかし、そこに暮らす人々にとっては、穏やかで住みやすいところのような気がしました。

面白そうな感じのお店、ギャラリー、ファッションやフード、娯楽や歓楽街
自然食品のお店も少ない。街を歩いていてもわくわくするような感じはなく、ひっそりとしたところ。

びっくりしたことは、ここは‘食’イタリア。
その辺のお店に入ったら、料理が美味しくない?!
ある程度、お金を出せば、まぁ美味しい。(これらは旅行者の個人的な感想です)

この街の人は、実際、どうなのかな?住民の声を聴きたいなぁ。
と思っていたところ、偶然にも。
現地に在住する、フットサルのプロ選手日本人の三浦さん(Keisuke Miura)に出会い、少しお話を聞くことができました。




イタリアはすべてが地域によって違う。
レッジョ・エミリアの人々は、育ちがよく、郷土愛が強く「自分の街が一番!」
人間関係は、とてもよく親切。
そして、お母さんの存在が第一。親のことを聞く人が多いそうです。
大人になっても頻繁に実家に帰省をし、みんなで一緒に食事をする。家族を大事にする。
レジャーは、公園に行ったり、散歩したり。広場でずーっとおしゃべりしたり。

あまり欲を出さず、あるべきところで満足し暮らしている。
心の豊かさを感じると、お話されました。
街のお祭り、イベントなども適当にあり、楽しいそうです。


その街を知るには、やはり暮らしてみないとわからない。
特に「こども」のことは、脈々とその地に続く何かがあるもの。

お母さんが第一。ここは、気になります。
お母さんの存在が大きくて、「こどもの100の言葉」を奪っている?
だからこそ、こどもの主体性を尊重する。レッジョ・アプローチが生まれたのかな?
日本の社会にもあてはまるところがり、何だか腑に落ちました。

最終日に食べた、このジェラート、生のフルーツ、そのままでした。
今までに食べたことのない、美味しさに、ほっと心満たされました。
(ピスタチオ、洋ナシ、ストロベリー。偶然にもトリコカラー!)

母の愛情に、強烈な砂糖の甘さはいらない。
こどもたちは、自然の甘さを感じたい、求めているのかもしれませんね(笑)




子育ては、その土地の文化・未来を創造すること。
子育てこそが文化。つまり日々暮らしの創造です。

私、長年探求してきた、こどもアート。
ここに全てがあった!という感じでした。

今、ここに現地へ出向くことができたのも、何かのタイミング。
貴重な経験となり、次への活力となりました。
日々、心を寄せてくださるみなさまへ、感謝の気持ちを込めて。
また、報告会ができればよいなぁと思います。

今度は、レッジョ・チルドレンを肴に、日本酒で乾杯しましょう、語りましょう!



(by かとうゆみ)






レッジョ・エミリア視察⑤

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■5/22(5日目)

聖なる山 ピエートラ・ディ・ビスマントバの町
エレモ・ベネディティーノ教会へ




レッジョ・エミリア市の特産である、パルミジャーノ・レジャーノのチーズ工場見学。
職人さんたちが、丁寧に説明してくださいました。
チーズの味は、最高!




レッジョ・エミリアからバスで約2時間
北イタリアの美しい風景が広がります。
トスカーナ、エミリア地方のアッペンニン山脈国立公園に位置するリゴンキオ





水力発電所にある水のアトリエの訪問です。
水とエネルギーを楽しみながら学べる‘水のアトリエ’





こんな、山の中にあります。






Remida(端材の利活用)の素材がたくさん使われ、
創意工夫をこらした手作りの装置が置かれています。
身近に感じられる演出に、ワクワクする気分が膨らみます。





さて、「エネルギー」って何だろう?
アトリエスタが、こどもたちに問いかけます。

これは、エネルギーの装置。上部のタービンは、何かをすると動きます。
押したり、引いたり、ぐるぐる回したり…
タービンが動き始めます!
こどもたちは、動かすことを体験しながら、エネルギーって何?を体感します。





そして、タービンから透明の糸がつながっている、もう一方の装置へ。
「さあ、ここにエネルギーを表現してみよう!」


こどもたちは、エネルギーって何?を感じたままに、この装置に表現します。
ああしよう、こうしてみようと、試行錯誤、作り変えることもできます。
納得のいくカタチを探求できます。

こどもたちが捉えた、エネルギー!
こんなに面白いカタチなんですね。




このようにエネルギーを、遊びながら学ぶ。答えは、様々。
こどもたちのそれぞれの探求にゆだねられているのが、
とてもすばらしいです!





ここでもレミダの素材が、大きな役割をはたしています。
イタリアのマテリアルは、カラフルな色が多く、とても綺麗です。










手作り感溢れるものが、何とも言えなく、愛くるしい。ワクワク感をそそります。
こんなに身近にあるもので、こんなことができる。こんなに遊べる。
いろんな気づきがあり、想像の種を持ち帰ることができます。




こちらは、水の特性、性質を体感できる手作りの装置。




体験したことを、いろんなツール(絵画、造形、音、ダンス)を用いて、表現したり、
語りあったり。レミダの素材を使って、オリジナルな装置を作ってみたり。
遊び方は様々、工夫が凝らされています。






見ているだけで、つい手を出したくなって、やってみたくなるものばかりです。
「いつまでも遊んでいられる」
「アイディア満載、本当に面白いしかけがたくさんありました」





光も上手く取り入れ、ここでも‘美’水の美しさを体感することができます。





世界の各地には、参加体験型のチルドレンミュージアムがあり、
いくつか見てきましたが、こちらの施設で見たようなものは、はじめて。
本当に感動しました!

ちょっとした工夫で、こんな場になる。
お金をかけて作られた装置、設備にはない、温かさと面白さがありました。


苦戦している文化施設、自然体験施設など、
レッジョ・アプローチは、大いに参考になると思います。

ぜひ、みなさまのプログラムにアートの視点を取り入れてはいかがでしょうか。
私たちは、お役に立てることがあるかもしれません。



(byかとうゆみ)

レッジョ・エミリア視察④

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■5/21(4日目)

①レッジョ・エミリア市近郊のクジラ幼稚園を訪問しました。
レッジョ・チルドレンのアプローチを取り入れた現場です。




イタリアは、広場が文化的に大切。
それに配慮した空間にデザインされています。
この地域は、歴史的に親の参加とリクエストが強く、そこからいろいろな企画が生まれているそうです。






  


レッジョ・アプローチの特徴である小人数制を取り入れ、
レミダの素材、ライトテーブル、自然素材、記録と、さまざまなプロジェクトが展開されていました。





自分たちは、どんな生き物か?アイデンティティを探る、人体のプログラム。
英語を学ぶことから、背景にある国についてのパネル作成。
こどもの声から声へ。どんどんプログラムが展開されていくこともあるそうです。

好奇心、探求心を、満たす要素が、あちこちにちりばめられていました。




トイレがアトリエに!?
トイレ訓練だってアート(パフォーマンス)にしちゃえば、楽しいですね!
これはとても面白い!






光の体験プロジェクト、
ライトテーブル




ここは特に、自然から学ぶプロジェクトをたくさん取り入れているそうです。
レミダの素材を活用した作品。





家族の参画を促すため、展示は、日々こどもたちがどんなことをしているのかわかるようになっています。
ドキュメントは、日々のレポート、展示に年間の報告のための冊子。
記録は、学びの共同体をつくる大切な要素と言いますが、とても大変そうです。
スタッフは時間がない。と言っておられました。

日本と同様。理想と現実。バランスが大事ですね!






大人が準備するプログラムは、はやりそこにいる人々の好みが反映される傾向にあります。
型にはまったプログラムは面白くない。
少し作り込みすぎてはいないかな?手をかけすぎてはないかな?
そんなことも感じました。

自分たちはこんなに素晴らしいものを提供している、
こどものためにという、おとなの気持ちはよくわかりますが、
それが、個々のこどもたちにとって必ずよいとは限りません。
大人がもっと肩の力を抜いて、ゆったりと。

ここはイタリア、スローライフ、スローフード!

すべてを満たそうというのではなく、
多様な感性を持ち合わせた人々と助け合い支え合い、また刺激し合い。
いろんなこと、人に出会うチャンスを、どれだけこどもたちに提供できるのか。

いつでもどこでも、こどもたちの学びの機会は無数にあります。




なぜ田園風景にクジラ?
作り込まれた空間、教育環境の中で生活することはどうなのか?
実際、ここにいるこどもたちの声を聴いてみたかったです。




好みはいろいろありますが、
もっとシンプルにフレキシブルに、そこで生活するひと、
こどもたちが時と場合により、変化させやすい、創造しやすい、
何にでもなるような空間が、私は好きです。

様々な感性に溢れる機会を提供すること、
自分たちで何かをつくり出せる環境や機会があることが
大事なことだと思います。



②次の訪問先は、コリアンドリーネ

レッジョ・エミリア市から車で30分。コレッジョという街にあるコリアンドリーネ。
こどもたちのアイディアから、建築家とコラボレーション。
スタートから完成まで13年かけて実践された夢の町、プロジェクト。







どこかのパビリオン?こどもたちの声を聴くという発想はすばらしいと思います。
それが現実になったものがここにあります。
建物の中は、いろんなデザインが施され、作られています。







しかし、何かが違うのです。上手く言葉にはなりませんが、
フンデルトヴァッサー、ニキ・ド・サンファル、ダリ等のアーティストの作品とは、違う。
風景の中に突如として現れるこの集合住宅。不自然で少し違和感があります。





こどもたちの夢は、自分でその世界を実現していく。それが生きる力。
こどもからおとなが一緒に力を合わせて作れるような、一部手作りの建物ならばよかったのでは?
月日をかけて、実現された、大きな実験プロジェクト。
いろんな物語があったのではと想像します。




何事もチャレンジする大人の姿は、
こどもにとって、とても刺激的。

成功、失敗ではなく、それをどうみるか?どう感じるか?
そこから何を学びどうしていくか?
そういうプロセスが面白いことだと思います。


(byかとうゆみ)