東北応援アートプロジェクト

2011年7月16日(土)・17日(日)
宮城県名取市にある、イオンモール名取エアリで開催された、
産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「仙台高等専門学校・宮城大学・宮城教育大学・東北工業大学大学院」×「大阪市立デザイン教育研究所」
メッセージ入り希望のロケットを奈良から東北へ。 東北応援アートプロジェクトへお伺いしました。





東北の玄関口である仙台空港からの車中、沿岸部は、震災の爪痕があちこちで見られます。木がなぎ倒されていたり、ビニールハウスの残骸、家、工場、橋の倒壊、流された車、トラック。以前はそこに何があったのか?想像もつなかい現実に言葉を失います。仮設住宅も立ち並んでいました。



車で約10分、新しい「まち」が開けているエリアにショッピングモールはありました。
そこはまるで別天地。しかし閑散とした静けさ。空港へと続く最寄の駅も閉鎖されています。

モール内「FLAXUS」ストア前にて、こどもを対象としたアートワークショップが行われました。


今回、「奈良から東北へ、未来は必ず輝かせる・・・応援メッセージ」をコンセプトに、
奈良(イオンモール橿原アルル)で実施したTOTAL750名以上の応援メッセージの花を咲かせた宇宙船、被災された皆様が少しでも元気になっていただけるような、心温まる想いが仙台へ届きました。

学生サポーター総勢23名。
大阪市立デザイン教育研究所の学生リーダーにより、
仙台の学生と連携でワークショップが実施されました。

○ワークショップ「うちゅうじんをつくろう」
こどもたちは、宇宙への切符をもらい、作りたい宇宙人を選びます。


・オシャベリアン いと電話づくり
・マラカリアン マラカスづくり
・エンバァーン ユーホーづくり


紙コップや、紙皿を使い、好きな模様をつけて、仕上げます。
シャカシャカ・・
もしもし・・・
くるくる、エンバーン







奈良からのメッセージをうけ、
仙台のみなさまにもメッセージを書いてもらいます。





○大阪から仙台へ出向いた学生さん
仙台の学生さんとは、連絡が大変でしたが、何とか今日に至り、ほっとしています。
お客さんが来てくれてうれしいです。
震災については、なんとも言えません。言葉を失います。

○仙台の学生さん
3月11日をさかいに、ボランティア活動が当たり前になりました。
みんなボランティアに参加しています。
こどもが元気でいることが、親の元気になり、前に進んで行こうという
気持ちになるのではないでしょうか?

こどもと触れあう機会が少なかったので、よかったです。
こどもたちが楽しむ姿がやりがいになります。


○教授
レイアウトのせいか、お客さんと学生の距離が近く、一体感、充実感を感じます。
ピカピカ光るロケット、より未来を感じます。



○お孫さん
さいとうさん(仙台市)
奈良(橿原市)の孫から連絡をうけて、駆けつけました。
メッセージを書く、孫との想いがこのようなカタチになり感動します。




奈良と仙台、お孫さんと、おじいちゃん。
ロケットにのって想いが繋がりました。
このように、被災地と日本各地、継続的に想いの交流があってもよいと思います。



○パパやママの声 
あべさん(仙台市)
3歳の息子さん。自分でやるのが大好きです。
こどもは、満足していると思います。大喜びです。


学生ボランティアさんがこういう活動をなさるのは、
大変素敵なことだと思います。
被災地では、現実がある。
現実から離れた時間と空間。気分がおだやかになります。

この子は、震災の3日前に生まれました。
あの日のことは、一生忘れません。


かんのさん(名取市)
楽しかったです。持ち帰るものができてうれしいです。
キラキラしているのも良かったです。
教えてもらえてありがとうございました。
素材がそろっていて、よかったです。


わたなべさん(仙台)
3人のお子様
初めて参加しました。自分たちでつくりたい
おねえちゃんは特に大好きです。


震災の時は、寒くて、たべるものがなくて、困りました。
卒園式もなくなり、入学式はなんとか・・・
夏休みに入ります。安心して遊べるところがなくて。
幼稚園ではプールもありません。
今夜はお祭り、「おばあちゃんが来るので、みせるよ!」


こどもたちの特徴として、
2~3人兄弟のお子さまが目立ちます。
もくもくと・・・作品をつくっていました。
何かものをつくるのが好きなお子さんが、自ら見つけて足を運んでくれます。
それぞれ、みんなすごーいセンス。びっくりさせられます。



東北の人は、控え目ですが、芯は強い。
こどもたちの姿からも、そんな空気を感じます。


○震災について
お店のかた
マネキンが倒れ、照明が揺れ、電気も消え真っ暗になりました。
揺れが長かったので、怖かったです。余震も続きました。
その後すぐに津波の心配があったので、学校へ避難。
一度、あのような揺れを体験するとトラウマに、また怖くなります。
お店は、4月末にオープン。開いていないお店も多く、お客さまがとても多かったです。


学生さん
日々の暮らしは、津波がきたところと、きていないところの差が激しい。
沿岸部に行くと、震災の日へと時間が戻っていくようです。
以前の姿をみてもらいたいです。今は跡形もなくなっているところがたくさんあります。
みんな、身内・友人が亡くなったり、家が流されたり、身近なところでいろんなカタチで被災しています。
テレビで見るのと、現実は違いました。もっと悲惨な状況でした。


復興への道のりは時間がかかります。
直接被害を受けた方、受けていない方、そこで暮らす人々にとって、
また、日本にとって、ひとりひとりに何かを伝えています。

今回、震災について、多くお話をお伺いすることができませんでした。
記憶を掘り起こすようで、触れてはいけないことのようにも感じてしまったからです。
メッセージを書く姿をそっと覗きました。
「どんなことがあっても前向きに強く生きていく」
ひとりのお母さんが書いたメッセージに心打たれました。



こどもは未来。こどもたちの創造力に無限の可能性を感じます。
激動のターニングポイントの機にあって、
今ほど創造力と未来への希望が必要とされるときはないでしょう。
こどもたちの笑顔はすがすがしく、キラキラ輝いています。



『未来(こども)、まち、創造性』、
こどもたちと一緒に、こどもゴゴロで、豊かな未来を!

おもいをイメージする「想像」、現実化する「創造」
その力によって未来を切り開こうではありませんか。
創造と破壊、生と死。対極するものから、新しい何かが生まれます。

アートは、模倣的な機会です。
こどもは大人が忘れてしまった、その力に溢れています。
こどもとアートに触れることで、そんな瞬間を感じてください。

アートで何かできるのか?その道のりも果てしなきものです。
つくづく感じます。

被災地の一日も早い復興を心よりお祈りいたします。



全国で株式会社ワールドが展開する産学連動ワークショップの活動から、
想いの交流がカタチとなり、奈良から東北の地へ、
宇宙船に積まれたあたたかな空気が届けられました。


【イベント概要】
メッセージ入り希望のロケットを奈良から東北へ
東北応援アートプロジェクト

産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×
「仙台高等専門学校・宮城大学・宮城教育大学・東北工業大学大学院」×
「大阪市立デザイン教育研究所」

題名:宇宙人をつくろう
ワークショップ:7月16日(土)・17日(日)14:00~17:00
場所:イオンモール名取エアリ
〒981-1294 宮城県名取市杜せきのした5丁目3番地の1

■産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「大学」
わくわく、ドキドキ、ハプニングがテーマ。
全国で子供と楽しめるアートワークショップを大学と連携し展開。
主に全国11ヶ所のイオンモール内に出店している「フラクサス」というストアを舞台に開催。 http://www.flaxus.jp

(NPO法人こどもアート 加藤ゆみ)

This entry was posted on 2011-07-20 and is filed under ,. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response.

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