産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「滋賀県立大」

2011年4月2日(土)・3日(日) 
名古屋から電車で30分ほど、名古屋の北西部、
愛知県一宮市木曽川町にある、イオンモール木曽川で開催された、
産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「滋賀県立大」
のイベントへお伺いしました。


かつては繊維の町としてにぎわいをみせた一宮、
紡績工場跡地に建てられた、東海地区最大級のショッピングセンター。
総合スーパー、ファッション、グルメ、雑貨などの専門店、
映画館、アミューズメントも充実しています。
その一角、「フラクサス」というストアを舞台に
小学生を対象とした、アートワークショップが行われました。


今回、滋賀県立大学の生活デザイン、
建築などを学ぶ大学院生、大学生、総勢17名により、
約10カ月間かけて練り上げられたウインドウのデザイン、
ワークショップのお披露目です。



「繊維の街一宮という土地柄をいかし、あらたな息吹を注ぎたい」
そう思いを語る学生リーダー(新森さん)は、
人と人が直接触れあえる場にこそ、学びはあると語ります。
滋賀での地域活性プロジェクトと、
繊維の街一宮でのワークショップ、
その出会いを‘花ずきんちゃん’というキャラクターで表現。
たくさんの古着で作られるコサージュをあしらい、
こどもたちと一緒に、色とりどりの花を咲かせました。

○着ぐるみマスコット‘花ずきんちゃん’
卒業制作、滋賀の名産、ふなずしをPRする為につくられた
‘ふなずきんちゃん’滋賀と愛知(一宮)のご縁が、
こんなカタチで表現されました。

頭巾には、古着回収業者から古着を集め、
ひとつひとつ学生の手によって手作りされた、
たくさんのコサージュがあしらわれています。


○ワークショップ 
‘花ずきんちゃん’と一緒に、コサージュ<咲来(さっくる)>を作ろう!


短冊状の布切れを波縫い、ちくちく、ちくちく


くるくる巻き巻き、ハイ完成!
こどももおとなも、ひと針、ひと針、夢中になって
コサージュ<咲来(さっくる)>をつくりました。


髪ゴムに、ブローチに、マグネットに、
思い思いのコサージュが出来上がりました。


完成したらハイポーズ!‘花ずきんちゃん’と記念撮影。
こどもたちは、大喜び。お母さん、お父さん、おばあちゃん、
おじいちゃんも笑顔が溢れます。


大人気の‘花ずきんちゃん’にこどもたちは、べったり。
頭巾のコサージュは、とっても触り心地がよさそうです。


「素敵だね~かわいいのできてよかったね!」
「ママの、わたしの、どっちが似あう?」
「わたしのお花は、○○○っていうの、ママのは?」
「ぼくのみてみて、かっこいいでしょ」
出来上がったコサージュに、笑顔がこぼれ、親子の会話もはずみます。



30代のお母さんは、
娘さんと一緒にコサージュをつくり、
「普段はお家にいるとやることがたくさんあって、
なかなかできません。でもやっぱり、手作りっていいな、
面白いなぁって感じます。」



おばあちゃんは、
お孫さんと一緒に参加。
「おうちでも簡単にできますね~昔は針をよくつかいました。
孫とこんなことができてうれしいです」


おじいちゃん
「孫が喜ぶわぁ。お花、綺麗だな!」


○天井
赤や黄、緑や青、古着をつかったコサージュで飾られた作品が
展示されています。こうした空間演出は、ワークショップの場の雰囲気を盛りたてます。


しかしながら、
「手元の作業で天井のお花に気がつかなかった。
言われてはじめて気がついた。」そんな声もありました。


○ショーウィンドウ
クリーニング屋さんで受け取りに来られなかった
ワイシャツたちが、学生さんにより、大変身。
真っ白なコサージュ畑に、華やかなワイシャツの花を咲かせ、
ショーウィンドウが飾られています。



今回のワークショップを実施する学生さんは、
デザインや設計を学ぶ私たちにとって、
直接人に関わり、反応が見られる場はとても少ないので、貴重な経験です。
現場から発想する。学校だけでは学べないすばらしい実践の場となっています。
企業の方、仲間のメンバーと一緒に、企画を進めていくことははじめての経験で
学びは大きかったです。




全国で展開される産学連動ワークショップ、
他大学の取り組みは、とても気になります。
刺激を受けるし、お互い触れあう機会があればうれしいです。
こどもの笑顔に触れられるのがなんともうれしいです。
やってよかったと感動します。



通り行く買い物客からは、
「いつもやってるのですか?面白い取り組みですね」
「今度はいつですか?」
期待を寄せる言葉が出ていました。

サクラの開花より一足早く
こどもから、お年寄りまで、
家族ずれでにぎわう週末のモール内、
みんなの笑顔の花が咲きほこりました。


近年、郊外に増えている大型ショッピングモール。
地元の駅前商店街や小店舗が軒並みシャッターを降ろす一方
週末には、何万人ものひとが訪れ、一日中楽しみます。
今回は、そうした商業施設の在り方、家族の時間の過ごし方ついて、考えさせられる契機となりました。モール内では、近所のお知り合いどうし、「こんにちは」「やあ!」っと顔を合わせ、あいさつする姿もよく見かけました。
つまり、新しい街のスポット、車社会のステーション。
地域の中で育まれてきた機能、文化こそが、新たな商業施設に求められているのではないでしょうか?
ハードの建築、商業空間のデザインのみ手を加えられとって替わるだけでは、真に人々の心をつかみ続けることは難しい。どこにいっても、変わりばえしないショッピングモールでは、いつか限界がくるのでは。

そこに住むまちの人々が、主人公になれるような場づくり。
それをサポートしたり、演出できるような要素があって欲しい。
そんな価値をつくっていくことに、閃きを感じました。



今回、全国で株式会社ワールドが展開する
産学連動 Artroom projecct ワールド「フラクサス」×「大学」の活動は、
そんな試みの先駆的モデルとなる企画です。
地方分権が進む社会情勢の中、大企業が、地方や地域でどう受け入れられていくか?
どうあるべきか? 次のあるべき姿を問う、機会でもあります。

NPO法人こどもアートは、
暮らしの見直し、新たらしいまちの在り方を、こどもたちと一緒に考えていきます。
こどもたちの笑顔の花が咲きほこる。そんな街づくりをお手伝いしたいと思います。

※さらに詳しくはこちらをご覧ください。
こどもアート


【イベント概要】

産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「滋賀県立大」

題名:「作さっくる!~はなずきんちゃんと一緒に
   古着から作るコサージュ<咲来(さっくる)>を作ろう~」
日時:4月2日(土)・3日(日) 
   ①11時~12時 ②14時~15時 ③15時~16時

所在地:愛知県一宮市木曽川町黒田字南八ッヶ池25-1
    イオンモール木曽川キリオ1F
    http://kisogawa-kirio.aeonmall.com/access/
    (名鉄 黒田駅から徒歩3分、JR木曽川駅から徒歩10分)
場所:フラクサスウィンドウ前
対象:小学生

■産学連動 Artroom project ワールド「フラクサス」×「大学」
わくわく、ドキドキ、ハプニングがテーマ。
全国で子供と楽しめるアートワークショップを大学と連携し展開。
主に全国11ヶ所のイオンモール内に出店している「フラクサス」というストアを舞台に開催。 http://www.flaxus.jp

(NPO法人こどもアート 加藤ゆみ)

This entry was posted on 2011-04-06 and is filed under ,. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can leave a response.

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