オランダのユニークな法律、スクワット。
建物の老朽化、スラム化を避ける為の解決策。
1960年代、都市部で住宅不足が問題となったことから、
使われていない建物を不法占拠する(スクワット)が合法化。
経済的余裕のない人々の生活と、住み手のいない建築の保存、
双方の利害関係が、とても理に適うものでした。
しかし時を経て、スクワット物件が増加、住宅事情の改善や、
建物の持ち主からの申し立てもあり、2010年に違法化。
現在、スクワッターが占拠した場所は、
返却されたり、売却されたり、
新しいかたちでアーティストたちの発信スポットとなっている施設もあるようです。
今回は、オランダらしい合理的感覚から、
そこにあるものを再利用、再活用、自分でつくるDIY精神溢れる、
アーティストたちの暮らしぶりを少し覗いてみます。
細い路地を入っていくと、一帯に不思議な建物?
巨大なキャンプか、パオ、プレハブのような外観!?
中に入っていくと、アーティストたちの制作ルーム、個室、素材置き場など、
まるで迷路のようで不思議な空間です。
ギャラリー&アトリエ&住まい?
そこには「職住一体」の暮らしがありました。
ここが住まいかと、びっくり!
自分たちでつくったとは!
快適にデザインされた空間。
キッチンや寝室、空調設備も申し分ありません。
オランダでは、自分で、キッチンをつくることはごく普通。と聞きます。
DIYは、流行ってきてはいますが、そこまでは手が出ません。
壁を塗り替えたり、床をはったりはお手のもの、
男性・女性に関わらず、当然のこととして身体が動く。
家財道具も、もらったり、拾ったり、安く手に入れて
自分のいいように作り替えてしまう!
アーティストだからできるのだろうか?
育った環境なのか?
どうして当たり前なのかとオランダ人の友人にたずねてみると、
昔は、親たちが普通に家でやっていたり、
TVでDIYの番組が流行っていたからね。
でも、今の若い人々は、できるかどうかわからないよ~
と、そんな答えがかえってきました。
時代の流れは、どこも似ているようですね。
こちらも!まるで学校跡地のよう。
ここが住まい?各部屋があり、集合住宅です。
素敵に暮らしています。
暮らしが本当に楽しそうで!
みんなをお家へ呼んで、よくホームパーティをするそうです。
椅子もこんな風にペインティング。
ちょっとしたことですが、ユニークなアイディアです。
お家の中がまるでミュージアム!
こんなお家で育ったこどもたちは、どうなるんだろう。
オランダのこどもたちは、美術や音楽の授業は、特別なく
生活や学習全般、また余暇の中で、存分に触れるそうです。
パパの作品がお家の中じゅう。
まぁ、みごとです!
自分たちの暮らしを、自分たちで楽しみながらつくる。
上手い、下手に関わらず、暮らしを遊び楽しむお家、
そのユニークな発想とセンスに感動しました。
オランダ人は、家族の時間を大切にしたり、
インテリアには、比較的お金をかけるといいます。
自分たちの生活を快適にすること にとことん価値を持つ。
何もなくても、何もないところからでも、そこにあるもので
より快適なものを自分たちで作り出す。
GuRuRe:(ぐるり)の天才だ!
以前にこんなプロジェクトをしたことを思い出します。
GuRuRe:(ぐるり)
企業・工場などから出る素材・端材を活用、
こどもたちのアートをサポートするプロジェクト。
私たちをぐるっと包み込み、取り囲んでいる自然と生活の「環境」ここには安心、安全、便利、快適、希い、祈り、そして感謝といった暮らしの場への欲求があります。
そんな場を見直し-見廻し、「環境」との関わりを生かし活かす活動。
生活を支え、生活が産み出す物、情報、そしてエネルギーといったものを見廻し、暮らしの欲求への思いや、関わりを見直すことで物から場所、地域から自然、いのちから生命、人から社会といった様々な巡りのReという再生(ルネッサンス)をGuRuRe:(ぐるり)に込めたい。
※2011年 あそなびフェスティバルより
今回は、個人の空間ということもあり、控え目に紹介しました。
ぜひ、アーティストとお友達になってみてください。
想像を超えるユニークで、素敵な暮らしに出会えるかもしれません。
アムステルダムにいると、何かやってみたい。
チャレンジしてみたい。いつもそんな気分になれます。
◎協力アーティスト
Mirjam van veelen
http://www.mirjamvanveelen.com/
timon hagen
http://www.timonhagen.com/
Iteke
itekehemkes.com
Tjitske
tjitskehemkes.com/index.html
(by こどもアートかとう)