2012年12月1日の2日の二日間にわたって、群馬県と茨城県内4ヶ所のファッション店「DOOROOMOO」で、アートワークショップを開催しました。今回のテーマは、クリスマスにぴったりのキャンドルホルダー。セールや福袋など楽しい企画が盛りだくさんの「アニバーサリーフェア」の一環です。
|
クリスマスデコレーションの施された店内の一角が、ひとときワークショップの場に。 |
ワークショップの講師をつとめてくださったのは、群馬大学で美術教育を教える茂木一司先生と、アーティストであり筑波大学でも教鞭をとる林剛人丸さん。それぞれ指導する学生さんたちと一緒に、ワークショップを組み立てていただきました。
|
参加者にアドバイスを送る、サンタ帽姿の茂木先生。
|
|
やさしいお兄さんのような雰囲気で、制作を見守る林さん
|
お二人のワークショップはどちらも、ガラス瓶を使ったキャンドルホルダーづくりですが、デコレーションの方法はそれぞれ個性が発揮されています。
茂木先生のワークショップでは、グルーガンを使ってシーグラスやボタンを貼付けていきます。様々な色と形のシーグラスやボタンがでこぼこと盛り上がり、ただの瓶が次第に味わい深い造形に変わっていきます。
|
グルーガンで大胆に、素材を貼付けていきます。 |
制作は、大学院生の二人が親切に指導してくれました。大人には馴染みのないグルーガンですが、最近では小学校で使うケースも多く、子どもたちはあっというまにコツをつかみ、どんどん作業を進めていきました。中には、素材をおかわりする子どもも。
|
制作中の風景。みんな真剣です。 |
|
指導してくださった大学院生の二人。アイスブレイクには、「ジングルベル」の演奏も。 |
|
完成! こちらのご家族の作品は、ふたにまで装飾が施されていました。やわらかい発想に脱帽です。 |
|
最後は、LEDのライトを入れてみんなで鑑賞。 |
一方の林先生のワークショップは、色付きのフィルムやシールを使い、透過する光の微妙な色合いを味わってみようという趣向。材料も、きらきらした繊細なものが用意されていました。
|
キャンドルホルダーの作例。後ろは、林さんと手伝っていただいた学生のみなさん。 |
|
キラキラした素材たち。 |
|
まずは好きな素材を選ぶところから。 |
学生さんたちが、参加者のなかに入り、お話をしながら指導してくれたことで、参加者同士も会話を楽しみながら、和気あいあいとした雰囲気で作業を進めることができました。
|
ときに楽しくおしゃべりしながら、ときに黙々と集中しながら、つくっていきます。 |
|
なかには、三世代で参加されるご家族も。 |
|
できました! |
最後は、林さんと学生さんたちが特別に用意してくれた、お試しボックスに入れて鑑賞。家族同士の作品を見比べたり、他の参加者の作品を見せてもらいながら感想を話し合います。
|
一生懸命つくったキャンドルホルダーは、暗闇のなかでどう見えるでしょうか? |
|
箱をのぞくと・・・。なかの明かりを通して微妙な色合いが見えてきます。 |
いずれのワークショップでも、店内の一角に特別につくられた会場にもかかわらず、参加者の方々が安心して、楽しくキャンドルホルダーに取り組んでいる様子が印象的でした。きっと普段から、この店でのショッピングを家族で楽しんでいるのではないか、という雰囲気。
ロードサイドの店舗といえば、全国どこも同じ店、同じ商品を売っているという画一的なイメージがあります。しかし、「DOOROOMOO」は、そのイメージをくつがえすような店を目指しているようです。単に生活必需品を購入するだけでも、ショッピングを楽しむだけでもなく、家族の新しい関係を育むことのできる場所。モノを売るだけではなく、地域の人々や家族のあいだの交流の拠点でもあるような店が日本の各地に広がっていけば、これからの地域生活のあり方も変わっていきそうです。
アートワークショップの一つの魅力は、いつもとは少し違う想像力を発揮し、普段はしないような会話が生まれる時間を創出することにあります。こうした地域の拠点でアートワークショップが重ねられることで、モノだけではない生活の価値を地域に提供していけるのではないでしょうか。これからの展開が、楽しみです。